行程3 感光してみよう

 ジアゾが完全に乾いたら、いよいよ感光です。この行程がシルクスクリーンの中で最も難しく、そして失敗し易い部分です。

 まず、素材となる絵を用意してください。用意できたら、それをコピー機でもう一度白黒でコピーしてください。
 また単色ではなく、複数の色を使う場合は色ごとに、それぞれコピーしておいて下さい。
 なぜ、一度、原画をコピーして使用するのかというと、原画の色斑を抑えるとともに、コピー用紙の方が灯油をかけた時に、光を通し易くなるからです。
 因みに、ここで、もし写真など、細かい表現を行いたい場合は新聞の写真のように、ドット(ハーフトーンっていうのかな?)で構成された紙を用意して下さい。




 素材となる紙が用意できたら、次はいよいよ感光です。感光時間は大きさや版の種類によって、変わってきますが、おおまかな目安は以下の表のような感じです。因みに、感光は上記したように、経験が問われる側面があります。そのため、最初は線が太いものを素材として選ぶとよいでしょう。

スクリーンと感光の関係
原画の種類/感光とスクリーン 感光時間 スクリーンの粗さ 感光の難易度
細かい線があるもの(写真など) 長め(8〜10分程度) 細かい 高い
細かい線が少ないもの 短め(5〜6分程度) 粗い 低い

 これから、いよいよ感光に移ります。まず、光を当てる前に、素材となる紙をスクリーンの上に置き、灯油で満遍なく濡らして下さい。濡らし終えたら、気泡が入らないように紙の上にガラス片を載せます。


 ガラス片を載せたら、いよいよ感光です。ここでライトで光を当てるわけですが、適当に当ててはいけません。均一に、しかも満遍なくやらなければいけません。
 例えば、A4程度の大きさのものなら、4角と中心、合計5箇所(図のオレンジ色の丸)に光を当てます。もし、これより大きいものをやる場合は、4角と4辺の中点、そして中心の9箇所(オレンジ色と黄色の丸全て)に光を当てます。
 ここで、肝心の時間配分ですが、A4の場合は4角、中心、それぞれ1分ずつの計5分程度で大丈夫です。
 


版と光を当てる箇所

 感光が終わったら、水で、色を出したい部分を直接洗い流します。素材の紙を黒くした部分のジアゾは光が当たっていないため、固まらず、水で流し落とすことができるというわけです。
 肝心の洗い流し方ですが、水道の蛇口にホースを取り付けて、水圧を調節して洗い流してください。因みに、硬めに感光した場合は、なかなか洗い流せないので、強めに。逆に、緩い場合は優しく行ってください。
 ここで注意しなければならないことは、水の調節です。あまり勢いよく、多くの水をかけてしまうと、光が当たっていた部分さえも流れてしまうので、気をつけてください。

 完全に洗い流すことができたら、ここでまたまた完全に乾かしてください。だいたい、1日くらいはかかります。どうしても急ぎたい場合はドライヤーで強制乾燥です。

 最後に、完全に乾いたら、スクリーン全体が、ゴミや汚れで汚くなっている場合があるため、灯油でなでるように洗ってください。
 

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